立風書房版「落・乱」情報
「落・乱」のコミックスといえば、朝日新聞社のあさひコミックスが一般的ですが、実はアニメ化の数年前に立風書房という出版社からコミックスが出ていたのです。そういう話を知っている方もいらっしゃると思いますが、実際に手にしている方、見たことのある方は少ないようなので、その情報をご提供します。
出版情報
落第忍者乱太郎1 〔天の巻〕
1986年1月7日~1986年3月18日まで朝日小学生新聞に掲載されたものを再構成
1989年12月1日第1刷発行
ISBN4-651-07501-0 C8279
落第忍者乱太郎2 〔地の巻〕
1986年3月19日~3月30日、7月2日~8月29日、1987年1月7日~8日まで朝日小学生新聞に掲載されたものを再構成
1989年12月1日第1刷発行
ISBN4-651-07502-0 C8279
著者 … 尼子騒兵衛
発行者 … 鎌倉豊
編集者 … 小野至
発行所 … (株)立風書房
住所 … 141東京都品川区東五反田3-6-18
TEL … 東京(03)447-1191
振替 … 東京(5)74493
印刷所 … (株)廣済堂
定価 … 480円(本体価格466円)
Printed in Japan 1989 (C) SOUBEI AMAKO
サブタイトル
天の巻
第1章 忍術学園開校の段(あさひコミックス1巻7~36ページ)・・・6
第2章 困った、困った、冷や汗授業の段(あさひコミックス1巻38~61ページ)・・・38
第3章 クモの子城へ急げ!!の段(あさひコミックス1巻63~95ページ)・・・64
第4章 まじめにやれ!!の段(あさひコミックス1巻97~120ページ)・・・99
第5章 剣豪花房牧之介の段(あさひコミックス1巻128~136ページ)・・・121
第6章 くの一教室はおそろしいの段(あさひコミックス1巻138~143ページ)・・・132
第7章 竜王丸の野盗退治の段(あさひコミックス1巻145~177ページ)・・・139
第8章 忍者の授業はややこしいの段(あさひコミックス1巻179~2巻9ページ)・・・174
地の巻
第1章 武道大会の段(あさひコミックス2巻10~36ページ)・・・6
第2章 楽しい楽しい夏休みの段(あさひコミックス2巻37~49ページ)・・・34
第3章 おそるべし家庭訪問の段(乱太郎・きり丸編)(あさひコミックス2巻50~61ページ)・・・47
第4章 ばあちゃんのかたき討ちの段(あさひコミックス2巻63~86ページ)・・・60
第5章 おそるべし家庭訪問の段(しんベヱ編)(あさひコミックス2巻88~108ページ)・・・85
第6章 新学期はじまるの段(あさひコミックス2巻110~127ページ)・・・107
第7章 密使・橋本新九郎の段(あさひコミックス2巻135~149ページ)・・・139
第8章 ナメコ城へ走れ!!の段(あさひコミックス2巻150~195ページ)・・・185
第9章 ああ、ナメコ城のお殿さまの段(あさひコミックス2巻197~206ページ)・・・198
主な登場人物
【乱太郎】
本編の主人公。忍術学園の一年生。家は先祖代々ヒラ忍者で、そのため一流の忍者めざして勉強中。
【きり丸】
乱太郎の友達。いくさで家をなくしたが、アルバイトをしながら一人でたくましく生きている。ドケチ。
【しんベヱ】
乱太郎の友達。父は富豪の貿易商。おっとりした性格で、みんなの足をよく引っぱるが憎めない。
【山田伝蔵】
忍術学園の実技担当教師。単身赴任の中年忍者。厳しく優しく子どもたちを指導する。火縄銃の名手でもある。
【土井半助】
忍術学園の教科担当教師。まだ若いが兵法や火薬にくわしい。かまぼこ・ちくわ・はんぺんが大嫌い。独身。
【戸部新左衛門】
忍術学園の剣術師範。剣をとっては並ぶものがないほど強いのだが、みょーなクセがあるため、実力がだせない。
【学園長先生】
忍術学園の創設者。とぼけた爺さんだが、昔は天才忍者だった(?)。「ガッツじゃ!」が口癖。
【山本シナ】
くの一教室の先生。若いのか年寄りなのか、わからない。くの一は正体不明なのだ。(くの一=女忍者)
【ユキちゃん】
くの一教室の生徒。しょーもないイタズラで男の子たちをイビるのが趣味。
【花房牧之介】
諸国修行中の剣豪(だと自分では言っている)。戸部新左衛門は剣のライバル(だとかってにきめている)。
【食堂のおばちゃん】
学生食堂のおばちゃん。料理は上手なのだが、“おのこし”を絶対にゆるさないので、みんなに恐れられている。
あさひコミックスと違い
あさひコミックス | ⇔ | 立風書房 | |
1巻p103~105 | (海苔の話) | ⇔ | × |
1巻p121~126 | (凧の話) | ⇔ | × |
1巻p146・1 | <学園長のセリフ> 六十年前 |
⇔ | 永正十二年 |
1巻p152・5 | <乱太郎のセリフ> さっき |
⇔ | 143ページで |
1巻p161・4 | <しんベヱのセリフ> アフレコ |
⇔ | アテレコ |
1巻p185・4 | <きり丸のセリフ> 火矢がかくあせは? |
⇔ | 火矢につける薬は? |
<しんベヱのセリフ> ひやあせ |
⇔ | ひやきおーがん | |
2巻p41・3 | <乱太郎のセリフ> 読者 |
⇔ | 朝小読者 |
2巻p42・3 | <山田先生のセリフ> 夏休みの宿題 |
⇔ | 宿題 |
2巻p122~124 | (アメの話) | ⇔ | × |
2巻p128~130 | (戸部先生の話) | ⇔ | × |
2巻p131~133 | (カボチャの話) | ⇔ | × |
2巻p140・5 | 逆エビがため | ⇔ | エビがため |
2巻p202と203の間 | × | ⇔ | (下記参照) |
【あさひコミックスには掲載されなかったページ】(2巻p202と203の間)
〔ナメコ城〕
しんベヱ 「きり丸 はやくしろよ」
きり丸 「う、うん」
「殿様がグズいんだよ。な、乱太郎」
乱太郎 「やぱここはお殿様からはじめてください」
忠安 〔ナメコ城主 在庫忠安〕
「うむ、では・・・」
コホ
「われわれはじゃな」
忠安 「なにしてたんだっけ?」
しんベヱ 「あら~」
きり丸 「しっかりしてよ~ とのさまっ」
きり丸 「ぼくたちはっ エノキ城からのっ 和議状をっ 命がけでっ とどけたんですよっ」
乱太郎 「敵にうばわれた時のっ 用心のためにっ こまかく分割してっ 持ってきたんじゃないですかっ!!」
忠安 「あ」「あ」
忠安 「そ、そうか わしたちこのバラバラになった和議状を組み立てておったのであったな」
小姓 「・・・・・・」
しんベヱ 「そうですよー」
忠安 「うーん うーん」
小姓 (うちの殿 ジグソーパズル苦手なんだよ)
しんベヱ 「だいじょうぶだよ」
しんベヱ 「うちにはお礼に目がくらんだきり丸がいるから」
きり丸 テキパキテキパキ
小姓 「はー」
忠安 「こりゃすごい」
あさひコミックス未収録のページでこのようなやり取りがなされていました。あさひコミックス202ページの後で一時連載が中断されていたためです。上記は再開第1回目のものであり、そのため多少説明的な内容になったものと思われます。なお、朝小では掲載されていたのに、立風書房版にも未収録のページも存在します。
尼子先生巻末コメント
天の巻
いやはや、乱太郎が単行本になるとは驚きです。彼らはいつも派手にアホなことをやってますが、それに比べて忍法というのはつくづく地味なもんだなぁと思うこの頃です。
地の巻
乱太郎の乱視、しんベヱのどんくささ、土井半助のカマボコぎらい、これを全部足したのが騒兵衛であります。でも、けっしてきり丸のようにドケチでは・・・ない。いや、ほんま。